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　この不況をチャンスと唱えがんばる会社、他力本願に不況の回復を待つだけの会社、それぞれが違った策略でこの不況を乗り切ろうと必死だ。
日産のゴーン社長が先日テレビで「為替の回復を願ってます」と言っていた。輸出が大半をしめる日本の製造業は為替の１円だけで何億という金が動くという。日産はその円高の中で、電気自動車の開発に力を注いだ。これが吉と出るのか、凶と出るのか、今後の流れを見守りたい。

　一方、とにもかくにも消費を生みたい販売業、仕事の激減による空いた時間を利用して「円高の今だからできること」「今のうちに準備を」などというキャッチフレーズが目立つ。逆にいえば、販売業を営む本人たちにも言える言葉。製造業が低迷し、販売業もその影響を受けるのなら、影響を受けないような策を今のうちに練らなくてはいけない。もっといえば、こうなる以前から手を打っておかなければいけなかったのかもしれない。それを言ってしまえば、派遣社員も同じだ。

　みんな支出を減らし、貯蓄に回すことを考える。お金は世の中を回らなくなり企業がつぶれる。だからみんな消費を！と呼び掛けたところで、３年後に消費税を上げるかもわからないこの不安定な日本で、誰がお金を使うだろう。きっとみんなそう考えるに違いない。しかしながら、人が生きていく上では必ず消費は生まれる。その消費の使い道を考えていけばよいのではないかと思う。

　雇われ働いて、食事をして寝るだけが社員ではない。各々が次の一歩を踏み出した時、戦後の日本のような活気や情熱に満ち溢れた社会が出来上がるのではないだろうか。